ヤブ椿オイルの全身トリートメ
イスタンブールの空の下で出会ったサロンオーナーさん

昔、展覧会出展に助成金を使えることになり、イスタンブールの化粧品展覧会に出展したことがあります。初めての土地、初めての国際展示会。緊張しながらブースに立っていた私のもとに、ある日ふらりと立ち寄ってくださったのが、リビアでセレブ向けの高級エステサロンを経営されているオーナーさんご夫妻でした。
お話を伺うと、そのサロンの看板メニューは、全身にオイルをたっぷり塗ってマッサージするトリートメントだとか。肌が驚くほどきれいになり、心からリラックスできて、体の芯までほぐれる。お客様にとても人気で繁盛しているのだと話してくださいました。それまでは中国産の椿オイルを使っていたそうです。
そんなオーナーさんが、私のブースに並べていた日本製のヤブ椿オイルを手に取ってくださいました。指先に少しのせ、香りを確かめ、肌になじませて、しばらく黙ったあと、「これは、ものすごく品質が良い」と。日本から持って来た在庫を全部お買い上げくださったのでした。
それから、しばらくのあいだ、リビアのそのサロンへ日本のヤブ椿オイルをお送りしていました。遠い砂漠の国で、日本の椿のオイルが誰かの肌を包んでいる。そう思うと、なんだか不思議な感覚でした。
けれど、リビアの内戦が激しくなり、オーナーさんも国外へ退避されることになり、お取引は途絶えてしまいました。今、どこでどうされているのか、知るすべもありません。ただ、あのとき「日本の椿オイルは本当に良いものですね」と言ってくださった言葉は今も、この仕事を続ける上で信念として私を支えてくれています。
椿オイルは、本当に不思議なオイルです。背中や手足、全身をゆっくりマッサージすると、じんわりとポカポカに温まって、肌がしっとり、つやつやになっていきます。使い終わったあとの肌がとても美しくなっています。
そして、日本の椿オイルは品質が高いということは、海外ではきちんと認められています。国も文化も違う方が、そして世界中の椿オイルを試したサロンさんが「これは一番良いものだ」と感じてくださった。
今回ご紹介する五島列島の新物の椿オイルは、あの藪椿オイルと同じように、極上のヤブ椿オイルです。リビアのオーナーさんが驚いてくださったあの上質さを、日本のみなさまにこそ、ぜひ味わっていただきたい。そんな思いで、今回のプロジェクトに挑戦しています。



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